ハローファミリー開発ストーリー
ハローファミリー開発ストーリー

2023年3月、コクヨの見守りIoT事業「Hello! Family.」(以下、ハロファミ)がスタートしました。ハロファミは、第1弾として「はろここ」「はろたぐ」、第2弾として「はろもに」「はろぽち」、これまでに4つのデバイスを世に送り出してきました。

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少しずつ、ユーザーのみなさんの声がハロファミに届くようになり、家族を大切に思う方々に使っていただいていることに、あらためて喜びと責任を感じています。

ハロファミが、もっと信頼してもらえるサービスになるためには、開発者の思いや、ハロファミを使うメリットをこれからより発信していく必要があると考えました。このハロファミ連載は、そんな思いから始まっています。第1回目は、ハロファミ開発リーダーの山本容子の思いをお届けします。

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山本:「スマホ1台で済むんじゃないの?」というご質問はよくいただきます。たしかに、機能だけなら、スマホに代替可能な部分も多いです。でも、私自身が子育て中に、小学校低学年の子どもにスマホを持たせるのがすごく難しいことを痛感しました。長男に「キッズケータイ」を持たせていたのですが、ランドセルの中にしまいっぱなしで、充電もいつも切れていました。親が安心したいがためにケータイを持たせるだけじゃダメなんだと思ったんです。「この子が使いたくなるデバイスを作りたい」――それが、ハロファミ開発のきっかけの一つでした。

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2023年に行われた調査でも、小学校1年生から3年生までのお子さんのスマホ所持率はいまだに2割~4割にとどまっているという結果が出ています。「低学年にはスマホは早い」と考えているご家庭がまだまだ多いんですね。

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一方で、我が家もそうでしたが、低学年でもお留守番をする子どもはたくさんいて、留守番中の子どもの様子が知りたい、離れていても子どもとコミュニケーションが取りたいという保護者のニーズがたしかにある。 だから、単なる監視じゃなく、親子がお互いの様子を伝え合えるような商品を作れたらいいなと考えたんです。そこで最初に生まれたアイデアが、ボタンを押すだけで親のスマホにメッセージを送れる「はろぽち」という商品でした。

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発売の順番としては「はろここ」や「はろたぐ」が先だったので、ハロファミのサービスは、登下校など外出中の子どもの見守りに焦点があたることが多いかもしれません。でも、原点は「はろぽち」であり、その一番大事な機能は、「親と離れている時に子どもに寂しい思いをさせない」ということだったんです。だから「子どもが自分でボタンを押して、親に気持を伝えることができる」という子ども発信のツールにすることにこだわりました。

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前置きが長くなってしまいましたが、ハロファミの4つのデバイスに共通する目的は、家族がお互いの存在を感じられるようにすることです。そして、そのために4種類のデバイスを作ったのは、ご家庭によって課題がそれぞれ違うから。子どもの成長に合わせ、その都度、必要なものを選んでほしいと考えたんです。その結果、4つできてしまったという感じです。

たとえば、お留守番にも慣れ、次は習い事にひとりで行けるようになりたいと思いはじめる子どもには、GPSトラッカーがあったら安心。それで「はろここ」や「はろたぐ」ができました。

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また、子どもの交友関係や興味関心はどんどん広がっていきますよね。親はつい心配してしまいますが「親に心配されている」と思うと子どもは楽しめなかったり、自信をなくしたりしてしまう。だから、子どもを親が安心して応援できるツールがあればいいなと思いました。「今から〇〇くんの家に遊びに行ってくるね」「今帰ってきたよ」という子どもからの報告を、表情や声も合わせて受け取ることができたら、GPSトラッカーやテキストのやりとりにはない安心を、親が得られるのではないか。それで画像と音声メッセージが送れる「はろもに」を作りました。

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取材・執筆 岡田寛子